トップページ > PSG検査
SAS(Sleep Apnea Syndrome)とは睡眠時無呼吸症候群のことで、睡眠中に呼吸が止まったり、浅く・弱くなったりすることで様々な日常生活に障害を引き起こす疾患です。
また、最近ではこのSASが循環器疾患と深い関わりがあることが明らかになっています。
SASの多くが閉鎖型睡眠時無呼吸症候群(Obstructive Sleep Apnea Syndrome:OSAS)と呼ばれるもので、上気道(空気の通り道)が何らかの原因で塞がる、または部分的に狭くなることで起こります。
睡眠中に上気道が塞がれてしまう原因はいくつか考えられます。
一般的にSASは肥満の方の病気と思われがちですが、日本人のように顎が小さい場合は必ずしも肥満が原因でなく気道が塞がれてしまうことがあります。
以下の症状が見られるときはSASであることが疑われます。
おかしいな…と思ったらすぐに専門医で受診されることをお勧めします。
いびきは睡眠中に気道が狭くなり、そこを空気が通るときにのど(咽頭)が振動することによって生じる音です。つまりいびきをかくということは気道が狭くなっている証拠と言えます。
閉鎖型SASでは、無呼吸の間はいびきが止まり、その後あえぐような激しい呼吸や大きないびきで呼吸が再開するのが特徴です。あえぐような呼吸をすることによって、寝相が悪かったり寝汗をかいたりもします。また、夜中に何回もトイレに起きるといったこともあります。
呼吸が止まっている間は、酸欠をおこしているような状態になります。そのため朝の起床時に頭が重いといったことも起こります。休むための睡眠が、無酸素運動をしているのと同じような状況になってしまっていますから、全身の倦怠感や不眠といったことにも陥ることがあります。
SASの患者さんは、無呼吸から呼吸を再会させる度に脳が覚醒状態になるため睡眠が分断してしまいます。この脳の覚醒は本人には自覚がなく、深い眠りが得られなかったり、夢を良く見るといわれるレム睡眠が細切れになったりします。たとえ7時間ベッドで横になっていたとしても睡眠時間が不足しているのと同じ状態になってしまうのです。
SASかどうかを判定する検査の方法にはいくつかあります。
問診やESSテストを行い、まずは簡単に昼間の眠気を評価します。
問診やESSによりSASの疑いがある場合に実施します。
指にセンサーを装着し、就寝してデータを計測、後日データを医師が解析します。
自宅で携帯型ポリグラフ法を用い、睡眠の状態を検査する方法です。
検査の翌日、病院に携帯型睡眠ポリグラフを返却し、検査記録データを医師がコンピュータで解析します。
睡眠時無呼吸検査(睡眠ポリグラフィー検査)は1泊2日の入院で行う検査方法で、眠っている間の睡眠の状態を詳しく調べる方法です。
当院ではこのPSG検査をお勧めしております。
検査についてのお問合せ・ご予約はお電話、またはこちらから。
ポリソムノグラフィー(PolySomnoGraphy)はSASの検査方法の中でも最も精密な検査方法です。
脳波・心電図・筋電図・呼吸・血液中の酸素等、様々な生態信号を測定するためにセンサーを装着します。これにより無呼吸の程度、酸素の低下状態はもとより、睡眠の質(睡眠の深さ・分断の有無)、不整脈の有無、その他の睡眠障害の有無等について診断されます。
※この検査には健康保険が適応されます。必ず健康保険証をご持参ください
測定項目 | 評価内容 |
---|---|
脳波 | 睡眠の深さ、覚醒 |
眼球運動 | REM睡眠の有無 |
頤筋筋電図 | REM睡眠の有無 |
呼吸 | 口・鼻の気流の有無 |
換気運動 | 胸部・腹部換気運動の検知 |
心電図 | 不整脈や心拍数変化 |
動脈血酸素飽和度 | 低酸素血症の把握 |
体位 | 仰臥位になるかどうか |
下肢筋電図 | むずむず足症候群の有無 |
検査スケジュール | |
---|---|
18:00 | 入院・入浴・食事 |
19:00頃 | 検査機器装着 |
21:00頃 | 睡眠検査開始 |
翌朝覚醒時 | 検査終了 シャワー・朝食後退院 |
無呼吸低呼吸指数(AHI)について |
---|
一般的にSASの重症度はAHI(Apnea Hypopnea Index)で表すことが多く、これは1時間あたりの無呼吸・低呼吸(呼吸が浅く・弱くなる状態)の発生する回数を意味します。 AHIが5回以上認められ、日中の眠気等症状がある場合にSASと診断されます。 |
内科医師、耳鼻咽喉科医師、歯科口腔外科医師が各種検査を総合し、ライフスタイルやご希望も取り入れて治療法を選択します。
治療方法 | 治療内容 | イメージ |
---|---|---|
CPAP(シーパップ)療法 Continuous Positive Airway Pressure (継続的持続陽圧呼吸療法) |
睡眠時無呼吸症候群の治療法の中で最も有効性が高く、安全かつ確実な方法です。睡眠中に鼻マスクから空気が一定圧で送り込まれ、睡眠中に緩んだのどの筋肉によってのどが塞がってしまうのを防ぎます。 |
|
歯科装具 (マウスピース) |
無呼吸症の方に適応される歯科装具(マウスピース)は一般的に歯軋り防止用やスポーツ選手が使用されているものと異なり、下あごを前方に数ミリ突き出してかみ合わせるようにしたものです。これにより咽頭部が広がり、睡眠中にのどが狭窄/閉塞することを防ぎます。
|
|
耳鼻科手術 |
無呼吸の責任部位が明確な場合に適応されます。小児の睡眠時無呼吸症候群の大半は扁桃肥大が原因で、そのため扁桃摘出手術が有効です。全身麻酔で行う手術です。 |
|
生活習慣改善 |
多くの方が肥満の傾向ですので、食事、アルコール、喫煙などの見直しが必要です。特にアルコールと体重増加はいびき、無呼吸を大幅に悪化させます。 |
SASは放置しておくと高血圧や脳卒中など循環器系の思わぬ合併症を引き起こす病気です。
「おかしいな」と思ったら迷わず専門医にご相談ください。
お問合せ・お申込み受付 電話:029-226-6555