新型コロナ感染症 療養後はいつ仕事に復帰できる?

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当院でドライブスルー型Covit-19 PCR検査を開始してから早くも2年が経とうとしています。当院独自の立場から新型コロナ対策として何ができるかを模索し実行に移して来た結果、これまで大きなクラスターも発生せずにこられたのはスタッフ達が自覚をもって医療現場に向き合っているからであって、私としては感謝の言葉もありません。さて、本題にはいります。 新型コロナ感染症を患ってしまった患者さんから多く質問されるのは『感染後に職場復帰する場合に、治癒したことを証明するためにPCRを行う必要か?いつ仕事に復帰できるか?』です。結論から言うと治癒後にPCR検査は必要ありません。なぜなら治癒していても、しばらくの間はPCR検査を行っても陽性に出続けてしまうからです。PCR検査が判定しているものはウイルスそのものではなくウイルスの遺伝子です。ウイルス自体はもう体内で死滅していても、死んだウイルスの体の一部である遺伝子(RNA)が体内に残存していて、それをPCR検査で検出してしまうことがあるのです。コロナウイルスに感染すると、その遺伝子は体内に平均で20日間程度は残り続け、その間は感染性がなく病気としては治癒している状態にも関わらずずっとPCR検査が陽性となってしまうという仕組みです。感染後の隔離解除の基準についてですが、WHO(世界保健機関)によれば、発症後から10日間経過し、かつ症状軽快後72時間以上経過した場合と書かれており、日本の厚生労働省もこの基準をもとに隔離解除の期間を設定していて、発症後10日間(または検査日より10日間)を自宅待機期間、無症状であれば7日間としています。これらの事実を踏まえても念の為、コロナが体内から消失しているかどうかを確認したい、あるいは海外渡航を目的として陰性証明書を発行する為に検査が必要となる場合ですが、参考までにPCR検査は一度陽性になるとその後1ヶ月間、平均20日間は陽性になり続けると文献には載っています。文末、繰り返しになりますが、新型コロナ感染症を患ってしまった場合に治癒後のPCR検査は必要ではありませんので皆様ご周知を