デング熱感染について

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先日より騒動になっているデング熱の感染についてお話しします。茨城県内の方が代々木公園にでかけた際に感染したとの報告が各医療機関にあがってきています。ご存じとは思いますが、デング熱は蚊が媒介するデングウィルスによる疾患で、アジア・中東・中南米・オセアニア等の世界の広範な地域で流行しています。蚊の種類はヒトスジシマカとネッタイシマカですが、強力な感染力をもつのはネッタイシマカです。国内問題になっているヒトスジシマカ(俗にいうヤブカ)の感染力は弱くヒトが感染してもデング熱を発症する頻度は10-50%といわれています。勿論、ヒトからヒトへ直接感染することはありません。症状ですが、潜伏期間は3~7日とされ、その後、発熱、発疹、頭痛、関節痛などの症状がみられますが、特に目の奥が痛くなるような頭痛が特徴的です。通常の場合は発病後2~7日で解熱し、そのまま治癒しますが、まれに重症化して出血傾向やショック症状がみられることがあるので高齢者や体力低下が著しい方は注意が必要です。治療は対症療法のみで特異的な治療法はなく、現在のところ抗ウィルス薬はありません。ヒトスジシマカは越冬することはないので来年になれば万事解決といいたいところですが、産卵された卵(産卵期は9-10月)にウィルス遺伝子が一部伝達する(経卵伝達)して孵化するという可能性もいわれており来年度も不安は続きます。ちなみに都心の温暖化でよくみかける地下水域から発生して越冬するチカイエカには感染力はないようなので心配しなくても大丈夫です。最近は蚊に刺されないためのグッズや薬品が多数出回っていますよね、ついつい衝動買いしそうです。